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啓蟄(けいちつ)/
春らしさも、保温も大切に

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

花のようなパステルカラーで春を先取り

啓蟄とは、ひと雨ごとに暖かくなり、陽気に誘われて土の中の虫や動物が動きだす時期のことです。
啓蟄の始まりには、わらびやぜんまい、咲いたばかりの菫(すみれ)が野山に顔を見せるようになります。魚へんに春と書き、春を告げる魚といわれる鰆(さわら)が出回るのもこのあたり。
次候になれば桃の花が咲きはじめ、新玉ねぎが収穫され、春の魚を代表する「さより」が旬に。
やがて、春を告げる蝶のヤマトシジミが飛びまわり、わさびやかたばみなどが旬を迎える末候へと移っていきます。
色とりどりの花々が咲きはじめ、街中も華やかな雰囲気になっていくこの時期。そんな華やぎを先取りするような、思いきったパステルカラーのファッションを楽しんでみてはいかがでしょうか?とくに春らしさを演出するのが、赤やピンク、黄といった明るい色合いです。
もちろん春とはいえ、肌寒く感じられる日もあるはず。全身をパステルカラーに染めるのがためらわれる場合は、首もとを温めるマフラーやスカーフの差し色として活かせば、おしゃれはもちろん健康のためにもよいでしょう。

昆虫のモチーフを楽しみつつ、保温もしっかり

啓蟄にちなんで、花や昆虫をモチーフにしたデザインを取り入れるのも、この季節らしいおしゃれです。
服の柄としては派手に感じられるようなら、ブローチやペンダントなどのアクセントや、髪飾りとしてさりげなく身につけてみてはいかがでしょう。
こういった春らしいスタイリングを楽しむ一方で、首もとや手首、足首といった血管が皮膚に近い部分はしっかり温めておくことを忘れずに。
心も体もすこやかに、花咲く季節へと歩みだしましょう。