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Yojocolumn Seimei3

清明(せいめい)/
春の心身を休める服

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

睡眠とパジャマの大切な関係

陽気がつづき、行事やイベントの多い清明は、心身ともにつかれがたまってくる頃です。
疲労によって胃腸のバランスがくずれ、お通じの不調につながることも。一方で、急に食欲が増して食べ過ぎてしまい、太りやすいのもこの時期だとされています。そんな清明に心がけたいのは、1日のなかで十分にリラックスして緊張を解きほぐす時間をつくり、規則正しい生活を送ること。
そうした心身の安らぎに、とりわけ有効な手段のひとつが「睡眠」です。眠りの質を高める方法は人それぞれですが、多くの方に当てはまるのは、就寝する1〜2時間前にお風呂につかること。体温を上げることで身体がリラックスして、眠りやすい状態がつくられるといわれています。

また、寝具としてのパジャマも大切な要素です。眠る際にパジャマに着替えるとよい理由のひとつは、「心身を睡眠モードにシフトできるから」だといわれています。部屋着も普段着も、基本的に活動するための衣服。パジャマに比べるとゆとりが少なく、素材もしっかりしているので、心身をリラックスさせるには不向きだといえます。だからこそ、眠るタイミングでくつろぎやすいパジャマに着替え、全身を睡眠モードにシフトさせることが重要なのです。
「スリープセレモニー」あるいは「入眠儀式」とも呼ばれるこのルーティンを習慣づけることで、心身が活動状態からリセットされやすくなり、スムーズに寝ついて翌朝スッキリ目覚めるという、良いサイクルが整うとされています。

5つのポイントで快適なパジャマ選び

それでは、身体に快眠をもたらすパジャマとは? 選び方の参考になる、5つのポイントをご紹介しましょう。

1、吸湿発散性が高いもの。
2、伸縮性があるもの。
3、長袖・長ズボンであること。
4、ゆったりしたサイズ。
5、好みの肌ざわり。

これらにはすべて理由があります。まず、人は寝ている間にコップ1杯分もの汗をかくとされ、その汗で肌がベタつくと、不快さによって眠りが浅くなります。気温が暖かくなるほど発汗量が増えるので、清明の頃であれば、手足の汗をしっかり吸う長袖・長ズボンで、通気性のよいものがおすすめなのです。また、熟睡していても身体はたくさん寝返りを打つので、その妨げとならないよう、ゆったりしていて伸縮性があることも重要。さらに自分にとって心地よい肌ざわりなら、より安心して深く眠れるというわけです。
つかれやすい時期だからこそ、よりよい形で、より上質な睡眠をとり、こころも身体もいやしたいもの。そのためにもぜひ、パジャマという睡眠スタイルにも、気を配ってみてはいかがでしょう。