Yojo Column

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春分(しゅんぶん)/
開花するからだに栄養を

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

「しそ」やシイタケで健やかに

春分は、本格的な春の始まりを告げる節気です。
そのスタートにあたる初候には、野山の空ではひばりがさえずり、足元には蕗(ふき)やタンポポの花が顔をのぞかせ、のどかで暖かい日がつづきます。そして次候になれば、ソメイヨシノやこぶしの花が咲きあふれ、アスパラガスの収穫がさかんに。サクラエビも旬を迎えます。やがて訪れる末候には、木蓮の花が目を楽しませ、旬のうどや真鯛が舌を喜ばせてくれます。

色とりどりの食材が店頭にあふれるこの季節ですが、とくに身体のために注目したいのは「しそ」です。辛味があり温性の「しそ」は、からだを温めることから、風邪のつらさを和らげ、解毒や発汗を促すはたらきが期待されます。また、アレルギー反応を抑えるともいわれ、花粉症が気になる時期の心強い味方となってくれそうです。

そしてもうひとつ、おすすめしたいのがシイタケ。シイタケに含まれるビタミンDは、身体の神経や筋肉の機能にとって大切な栄養素。とくに、こむら返りやイライラによる血圧上昇などが気になる方は、積極的に摂ってみてはいかがでしょう。

ちなみに、旬の味としてご紹介したサクラエビにも、いろいろとうれしい成分が。美しい桜色のもとになっているアスタキサンチンは、抗酸化や疲れ目の対策。豊富なオメガ3脂肪酸は、血をサラサラにして動脈硬化を防ぐといった役割が期待されています。

桜餅の葉に秘められた成分とは

この春分を代表する味覚といえば、桜餅です。美しい桜色をしたあん入りの餅で、薄く焼きあげた皮であんを巻く関東風と、もち米からつくった生地にあんを包みこむ関西風があります。どちらにも共通しているのが、塩漬けにした桜の葉で包んであるということ。

そして、この桜の葉に含まれているクマリンという成分、芳香や殺菌をはじめ、血圧やむくみに関わるからだのめぐり、さまざまな病気や老化の予防につながる抗酸化など、多様なはたらきがあるとされています。甘いものはつい糖分が気になりますが、急に暖かくなることで身体のすみずみまで栄養が求められるこの時期には、ぴったりの食べ物だといえるでしょう。

本格的な春を迎え、活発に動きたくなる頃ですが、気候にあわせて急には変われないのが私たちのからだです。いまのうちから身体の循環や機能を高めてくれる季節の恵みを多く摂り、清々しい春を過ごせるようにしっかり整えておきましょう。