Yojo Column
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心を落ち着かせる藍色の装い
雨水とは、降る雪が雨へと変わり、氷が溶けだす時期のこと。古くから農作業の準備をする目安とされています。
雨水の始まり、つまり初候は、春キャベツが旬を迎え、トビウオが飛び跳ねるとき。次候になれば、からし菜や素魚が旬を迎えるとともに、野焼きなどの行事が。そして節気の終わりにあたる末候になると、菜の花やハマグリが旬となり、野山には可憐なミドリハコベが咲くといわれています。
東洋医学では、春の色は「青」。青色にもいろいろありますが、日本らしい青のひとつが「藍色」です。藍は、遠い昔に東南アジアから伝わってきた染料植物で、ちょうどこの雨水にあたる2月頃に種を蒔き、17㎝ぐらいに伸びたところで苗床から畑に植えられるそうです。寒色系の代表である青は、静かでクールなイメージ。英和、誠実、沈黙、そして空や海の色を連想させ、すがすがしく好感度の高い色です。また、気持ちを落ち着かせ、集中力を高めるともいわれます。
肝のはたらきから感情の起伏が生まれやすいとされるこの時期、インナーや洋服の一部に青色を取り入れると、冷静さを保ちつつ、物事の始まりに向き合えるかもしれません。ただし、全身に青を取り入れるときは色合いに配慮を。「藍色」など深めの色を選んでおく方が、周りの人に寒い感じを与えず、春先にはちょうど良さそうです。
気温差から女性を守る着物
だんだんと暖かくなるものの、朝晩はまだ寒く、着るものに困るのが雨水のころ。
そんなときでも快適に過ごせるのが着物です。冷えすぎると良くない腰回りを帯で温めつつ、ほどよい締め具合でめぐりを促すなど、女性にうれしい特徴がいろいろ。とくに気温差の大きい春先には、見た目だけでなく機能面においても優れた装いだといえます。
卒業式や入学式、お祝いごとなど、春がすすむにつれてイベントが増える季節、伝統の知恵を感じながら、着物でおでかけを楽しむのも良さそうです。また、春先はからだのめぐりが安定せず、手足の筋肉にも変化を感じやすいとき。気になる方は、スパッツや機能性スポーツタイツといった、筋肉をサポートしてくれる補助着を活用してみてはいかがでしょう。
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