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雨水(うすい)/
湿気対策や植物のお手入れを

明治国際医療大学教授

伊藤 和憲

暖房や結露による湿気にご用心

雨水は、いろいろと物事が動き、始まる時期にあたります。身のまわりではみんなが活発に動きだしているのに、なぜかやる気がおこらない、ということはないでしょうか。
立春に起こりがちな感情の変化などをそのままにしておいたせいで、心や体につかれが積み重なっているのかもしれません。ゆっくりでも自分のペースで季節の変化に追いつけるよう、心身の調子を整えましょう。
まだ寒さは残るものの、そのピークを越えてすこしずつ暖かくなり、雪は雨に変わり、降り積もった雪や氷がとけて水になるこの時期。これまでより湿気が多くなることで、からだにさまざまな影響があらわれるかもしれません。
たとえば、空気中に水分が多いということは、汗が蒸発しにくいということ。暖房の効いた部屋に長時間いると、体温の調整がうまくいかず、からだや頭に不調をきたしやすくなります。また、気密性の高いマンションなどでは、カビが繁殖しやすいとされる室温20~30℃、湿度70%以上の環境になることも。とくに結露が発生するところは湿気たっぷりなので、気づかないうちにカビが発生して、それを食べるダニまで増えるおそれが。これらは、さまざまな健康リスクのもとになります。
この時期に体調がすぐれない場合は、湿気の対策に十分気をつけましょう。方法としてはいろいろありますが、除湿作用のある重曹や竹炭などを湿気の多い窓ぎわや押し入れ、床下収納などに置くのも昔ながらの知恵です。

草木の成長を促す季節行事

この雨水のころに行われるのが、「野焼き」です。風のない晴天の日に、野山に火を放って枯れ草を焼き払うことで、その灰を肥料として草木が成長するのを促します。ご家庭でも庭などに草木があれば、灰や肥料をまくなどして、植物が成長しやすい環境をつくってあげてはいかがでしょう。
ちなみにマンション住まいなどで、季節を感じるために観葉植物を室内に置かれている方も多いはず。その葉っぱからほんの少しずつ蒸発している水分も、部屋の湿度を上げるもとになってしまいます。
この時期は置き場所に気をつけながら、植物が育つ春本番を心待ちにしましょう。